【サカレポ】 3/29 サガン鳥栖 vs 横浜・F・マリノス @横浜 ー後編ー
3/29 サガン鳥栖 vs 横浜・F・マリノスのマッチレポート。後編に参ります!
「前編まだ読んでないよ!」
という方は、こちらからお先によろしくお願いします↓
前編からどんな感じに続いてるか、イメージできましたかね!今回は、この試合の後半45分間で印象に残ったシーンのピックアップ、そしてまとめ。最後に、今シーズン特徴的なサガン鳥栖の「非公開練習の狙い」について、アップしていきます。
後半
後半開始後も、前半と同じような展開です。マリノスがボールを保有し、サガンが4-4-2のブロックを形成して迎え撃つという構図。ゲームを支配しているのはどちらともいえないという展開。依然として、決定機がなかなか見られません。両チームに対してとても失礼かもしれませんが、日頃欧州トップレベルの試合を中心に観ている僕にとってはとても退屈な試合にみえてしまいました。「点が入っていないから」だけではありません。それは、数ある原因のうちの一つでしかありません。1番の理由は、「アタッキングサードでのプレー時間が短いから」です。サッカーの試合を良くみる人には伝わりやすいと思うのですが、点が入らなくても決定機が多い試合だととてもワクワクします。勿論、点が入らなかったことへの不満は募ると思います。ところが、それ以上に
「点数入るかな…入らないかな…?」
というのは、まるでギャンブルで「これ勝てるかな?いや、負ける?」というスリルと似た匂いがするのです。元日本代表監督の岡田武史氏は、何かの番組で「サッカーはお金のかからないギャンブルだ」と仰っていました。その通りだと思います。選手も、プレー中は「いかに相手を騙すか」という心理状態にあります。お客さんも、「スリルを感じながら楽しめる」というのがサッカーの魅力です。このゲームでは、そもそもアタッキングサードでのプレー時間が短かったため、クソつまらない試合にみえてしまいました。(※口悪くてすみません。個人的見解な為、はっきり申し上げているだけです) この試合、両者に足りなかったのは「アタッキングサードまでボールをつなぐ技術」だったのは間違いありません。それではなぜ、アタッキングサードでのプレー時間が短くなってしまったのでしょうか。原因は、
- 攻撃寄与できるCB皆無
- 中盤でスペースを作り出せない
- FWが当たり負けする
などまだまだいろいろありますが、両チームともに共通するのは、「ボールオフ時の動きの質が低い」ことです。最も分かりやすいシーンが、マリノスの選手に見られたのでそれをピックアップしていくことにしましょう。場面はこちら↓
マリノスの外国人選手がボールホルダーの場面ですね。鳥栖の選手が1人アプローチをかけているのがわかります。次。
横にスライドすることで、マリノスの選手は鳥栖の選手をいなすことに成功しました。次に、もう1人の鳥栖の選手がボールを奪いにチャレンジしに来ます。これがゾーンプレスの強みですね。選手の距離間が一定に保たれているため、数的有利な状況をつくりやすい。しっかり機能しているといえます。ところが、赤丸で囲んだ選手と赤丸のスペースに注目。完全にマリノスの選手がフリーです。そして、目の前には広大なスペースがあります。この選手にボールが渡ると、マリノスにとって超チャンスです。まず、なぜこの状況が生まれてしまったのか。これをわかりやすく見るために、この状況を真上から見てみましょう↓
まず、このようになる前に鳥栖CB藤田がロングフィードをしくじり、マリノスMFにボールをおさめられます。そして、11の選手がサイドでボールを受けるという過程です。実は、この藤田選手のロングボールをハーフライン前で相手に取られるというのが、結構な痛手でして。というのも、このロングボールに合わせて鳥栖の選手は前線に向かって走り出していたわけです。最も前線に走ったのが中盤の福田選手。ところが、無念にもロングボールは相手にとられ、自陣に引き返さざるを得ない状況に。次です。
それによって、本来福田選手が見るべきマリノスの選手がフリーになってしまいました。このフリーの選手が、先ほどの赤丸で囲んだ選手です。これだけボールサイドに鳥栖選手がいるにもかかわらず、中央に展開されているのも謎ですが。そして、中央に絞ってスペースを消せていない鳥栖左SB三丸選手も謎。色々な要素が絡み合い、マリノスにとって決定的シーンが生み出されそうになります。まだこの段階では、生み出され「そう」です(笑) 次です。
マリノス選手「よっしゃぁぁ!ボールきたー!あとは最終ラインをぶち破るだけヤァァ!ふぁぁぁ!!」
マリノス選手「あ、その前に一応前の視野確認しとこっ(直前でボールから目を離す)」
マリノス選手「(ボールに目を戻す)っしゃ、前空いとるわ。」
マリノス選手「…ん?……んんん?」
マリノス選手「あれー、ボールトラップできんかったー!!!(泣)」
これは、ほんの一例にすぎません。日本では、「首を振って周りを見る」「ボールばかりを見ない」という言葉が先歩きしています。大切な、「何のためにそういった動きをするのか」という指導がなされていません。要は、頭をつかえていないわけです。ボールを受ける選手が仮にイニエスタだったとしたら、100%このようなことは起こっていないといえます。ボールが自身の方向に動いているにもかかわらず、その軌道から目を離すというのはかなりのリスクを伴うと身体に染み付いているから。このマリノスの選手がいい指導を受けることができず、テクニック・運動量でプロになることができたというのがよく分かるシーンです。これが、日本サッカーがトップになかなか上がれない1つの原因だとも思っています。
このように、日本選手は「オフザボールの動きの質」を高めていかなければならないのは自明ですね。かずにすた、育成年代のここにコミットできるように頑張ります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回のマッチレポは前編・後編の2本立てでお届けしました。大好きなサガン鳥栖の試合をしっかり分析するのは初めてでした。批判的に見る自分に嫌気がさした瞬間も勿論あります。その気持ちと両立しながら、
「大好きなクラブだからこそ、真実を表に出そう」
との信念のもと、本記事を書き上げました。鳥栖のサッカーには、良い面もありましたが、もちろん改善点が多いです。目立った改善点は、守備面でしたかね。11人の攻守への意識向上が不可欠です。攻撃だから、守備だからと分けているうちはホントに何も始まりません。サッカーは、攻撃が始まった瞬間に守備の準備もセットで始まっているのですから。
非公開練習の意義
最後に、鳥栖が今シーズン実施している非公開練習の意義について、個人的見解を述べます。今シーズンの鳥栖の戦い方として、こまめにシステム・選手を変えているという特徴があります。それと併せて考えると、
の2つが考えられます。1つ目については、わかりやすいと思います。2つ目は、「選手が迷わなくて済むプレーモデルをつくる」という意味です。さらに分かりやすいのが、4-4-2のフォーメーションのケースです。この陣形の守備に関しては、大体各々がやることは決まっていますし、誰がメンバーにはいってもそんなにやることは変わりません。この試合なんて、まさにそうでした。
そのような型を、4-4-2以外の、更に攻撃的なシステムでつくりだそうとしているのかなと思いました。これには多大な時間と労力がかかります。選手もとても混乱するはずです。しかし、本気でJリーグチャンピオンを狙うなら、Jのトップで戦い続けるには、このような改革が必要かもしれませんね。
さて、この監督・クラブの意向を鳥栖サポーターは見守ることができるのか。僕は勿論見守り続けます。だって、「戦い方」ではなく「クラブ」が好きなのですから。公式戦から負けてばっかというだけで、サガン鳥栖を批判するネット民をみると「ホントにお前ら鳥栖ファンなのか?」と声を大にして言いたくなりました。シーズン30試合以上あるうちの10分の1が終わった段階で、やれ監督解任だのサガンはダメだだの。そういう奴らに限って、いざサガン鳥栖が勝った時に「やっぱり今年のサガン鳥栖は違う」とか言い出しますww 人間って面白いですね。スペインサッカーは、シーズントータルで勝てば良いという指導がジュニア世代から当たり前のように根付いています。そのため、カレーラス監督自身が慌てふためいていることは全くありませんでした(笑)
僕は、自分にとって大好きなクラブなので根拠のない批判はしません。ところが、どうしても今シーズンも楽な戦いにはならないだろうというのが僕の見解です。やはり、今回のレポートで書いてきたように、改善点が山のようにある。カレーラス監督が今後どういったマネジメントをしていくのか、とても気になりますね。引き続き、熱い応援をしていきたいと思っています。
今回はここまで。最後までお読み頂きありがとうございました。
かずにすた
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