広島カープはもはや宗教ー後編ー
数日前の前編の続きになります。読まれてない方は、こちらからどうぞ↓
馴染む外国人
オープン戦(所謂練習試合)に集うファンは、根っからの広島人だけではありません。僕はスタジアム周辺で衝撃を受けた後、特に広島でやる用事もなかったので福岡に戻るための新幹線の切符を買う列に並んでいました。購入後、改札に向かっていると…とにかく赤の衣類・かぶりものを着用して、改札から降りてくる外語人の姿が。ここで僕が驚いたのは、以下の2点。
・カープを愛することに人種は全く関係ない
・遠方からわざわざ応援に広島に来る
前者に関しては、本当に素晴らしいことだと思いました。思い返せば、カープ通りを歩いている時にもの不思議そうに、屋台の食べ物を眺めていた外国人を見ました。また、スタジアムまで続く長蛇の列を辟易とした顔で、開場まだかまだかと眺める外国人もいました。元々日本以外の国からしたら、スポーツと聞くと「スポーツ=レクリエーション・エンターテイメント」という認識をされます。「スポーツ=体育」として、学校の教育の一環としてその範疇に定めているのは、日本とあと数ヶ国くらいではないでしょうか。そのような背景もあって、外国人にとってはさほど嫌悪感はない、むしろ楽しいものとして映っているように感じました。平和都市にこんなドンチャラお祭り騒ぎの場所があったら、そりゃ驚きますし面白がられますよね(笑)
後者の、「遠方からわざわざ応援に広島に来る」というのは、新幹線の改札口からカープグッズをまとった方々が降りてくるんです。要は、新幹線口なので少なくとも県外からきているということになります。となると、その経済波及効果は計り知れません。おそらくこの方々は、カープの試合を見た後「せっかくきたんだから広島を観光して帰ろう」となり、お金をチャリンと落として帰ってくれると思われます。これぞ、スポーツを軸にしたゴールデンサイクルですね。
広島カープは宗教
このように、広島カープは人種・年齢・性別問わず、多くの方々に愛されまくっていることが分かりました。ここで本題なのが、「広島カープ=宗教」と僕が銘打ったその理由です。まず、
「そもそも宗教って一体何なのか」
考えたことはありますか？説明が面倒なので、分かりやすい参考ページ持ってきました↓
宗教とは、一昔前の方々が天災やら不幸やら色々なものから逃避するために、自分たちで創りだしたいわば創造体のようなものとも言えます。このように考えると、僕たち現代人にとっても別に何の関わりがないわけではない、という話になってきます。さて、なぜか。それは、「会社」の存在です。
僕たちミレニアム世代のちょうど親世代は、日本経済が急速に成長を遂げた時代であったため、俗に言うバブルという経済状態になり、日本全体が好景気の状態でした。それ故に、とにかく大きなことをしているかつ事業が安定している会社、すなわち大企業に就職することが、世の中での地位も名誉も、そして金も得ることができる最適手段でした。つまり、「会社に行きさえすれば、自分の人生は救われる」といった思考だったわけです。あれ、これって何かの思考回路と似ていませんか？(笑) そう、これは全く「宗教」と同じだと思うんです。
「あー毎日神にお祈りをしていさえすれば、自分は幸せになれる、救われる」。というような。
整理すると、「会社」は僕たち人間にとって自分たちを救ってくれるコミュニティと化していました。ところが、今ではそのコミュニティも日本経済の停滞や世の中の急激な変化によって、その効果は薄れています。要は、新しいコミュニティが必要なわけです。そう考えた時に、この広島カープというのはまさに人間を救ってくれる宗教なのではないかと思ったわけです。
というより、この広島カープに関しては従来の宗教観を超えていると僕は思っています。なぜなら、「カープが人々の心の拠り所になる」というよりは、「カープは私たちが支えていかなくてはならないもの」というように、主体性・責任感のようなものがファンに働いているからです。このようになった組織は強いですよね。俗に言う、ボトムアップというやつです。ファンという下から球団を支える人たちがしっかり応援することで、球団はあぐらをかけないわけですから。
以上、こういった理由で今回の記事のタイトルを設定しました。
まとめ
今回は、とても哲学的な少し固い回になってしまったかもしれません。まぁ、こういう回も悪くはないでしょう！！笑
いやー、スポーツは本当に良いですねー。物ではなく心が豊かになっていく感じ。たまりませんね。読者の皆様、広島を訪れた際には是非一度球場まで足をお運びください。試合はチケット完売で見れないかもしれませんが…汗
(球場の様子)
かずにすた
